丸太の日記

胎界主とSoundHorizonのブログ

胎界主 第三部 序盤の雑感 [後編:各勢力の情勢]

Web漫画『胎界主』第三部<翻訳儀典>序盤の、各勢力の情勢について書きました。
鮒界市篇(国内) 土曜日 までの内容です。

1. はじめに

maru-ta11.hatenablog.com

前編の記事に引き続き、胎界主 第三部序盤の個人的な感想や考察などをまとめました。
後編の本記事では各勢力およびキャラクターの現状や関係性、目的などについて、今後の物語の導線になりそうな要素をピックアップしています。

鮒界市篇(国内)土曜日 04-15までの内容を反映。

2. 各勢力の情勢

大規模動乱期はどこから火がつくのか

第三部では、第二部の最終話から三年弱が経過し、各陣営の情勢にも変化があったりなかったりです。

骸者が壊滅状態になったことで三大勢力の均衡が崩れ、悪魔管理者は緊張状態に。魔界内部でも派閥・軍閥抗争が続いています。
悪魔の動向に合わせ、シフトでも動きがありそう。
東郷では悪魔への反発が高まり、次期当主選抜も相まって内輪もめ中。
ソロモンピュアレックスなど、強大な胎界主たちも相変わらず元気に暗躍しています。
帝王を救わんとするサタナキアの謀略が各所に影響を及ぼし、平和に暮らす鮒界市の人々も魔の手が迫っています。

第一部から示唆されてきた「大規模動乱期」に向けて、各々が準備を進めているようです。

2.1 個人勢

2.1.1 ソロモン

アスタロトメフィストフェレスとの関係性も気になるところです。

第二部までは裏から物語を牽引してきた黒幕ソロモン。
しかしピュアに敗北したこととさらなる黒幕サタナキアが登場したことで、第三部では1プレイヤーくらいの位置になってきました。

古代王国篇では原典へ堕ちるまでの経緯が描かれました。
当初は発狂した(?)父ダビデを助けたかったようですが、その目的は果たされたのか。
ソロモンは存在級位を上げ過ぎた結果、誤って原典へ堕ちたものと思っていましたが、実際は原典堕ちの危険性も分かっていたために停滞していたようです。

その状況を変えたサタナキアの、<神>に逢い助けてもらうという提案、リリスとヒトとの関係、現れた<>のような影。このあたりの描写は謎に包まれており、成功だったのか失敗だったのかも含めてまだわかりません。 

主な目的は以下の通り。

目的① 生成世界へ帰還する

  • ピュアを目覚めさせ身体を乗っ取る。

目的② 原典堕ちの原因となったサタナキアに復讐する

  • サタナキアにかけられた認識ロックを完全に解く
    →そのためには何らかの事象進行が必要
  • 夢想胎界のサタナキアへは手出しできないため、代わりに帝王の身柄を確保する
    アスタロトメフィストフェレスに帝王を探させる
  • 絶対安全領域である塔に入り臨戦態勢を整える
    →塔の所有者であるアスの身体に戻る
    →状態復元期にロックヘイムからアスを呼び寄せる

相変わらず大変そうですが、小石を追いかけ回していた老年期よりもイキイキして見えます。

世界を食い尽くし、胎界主として一つの到達点となったが故に行き止まりになってしまったソロモン。
今度こそ自分の物語を作ることはできるのか。「本物」の創造物であるタロット・アスがその鍵になるのでしょうか。

2.1.2 ピュア

亀の背中(ピュアの夢見界?)でソロモンに囚われているピュア。
極限存在級位に耐えきれずに精神崩壊した、と見せかけてやっぱり正気でした。
肉体はロックヘイムにあるようですが状況は不明。
今のところ悪魔も管理者もあまり話題に上げていないので、特に目立った動きはしていないのでしょう。

最近になってソロモンの認識ロックを解き、サタナキアにけしかけました。サタナキアの干渉にはどの段階で気付いたんだろう。
ピュアの目的はまだわかりませんが、以前言っていた「ソロモンと悪魔をぶつけて共倒れ作戦」を行うつもりでしょうか。
第二部では<>に負けたために<主流>を見失ってしまったので、今後は<>とサタナキアの関係に迫っていくのかもしれません。

稀男からもらった人助けの役目はどう果たすのか、完全敗北を喫し再び歩み始めた彼がどこへ向かうのか、今から楽しみです。

2.1.3 レックス

東郷にも協力者がいるらしいですが今後絡んでくるのか

第一部で死亡したと思われたがやっぱり生きてたレックス。地獄の穴から鬼とともに登場しインパクトを残しました。
彼と地獄との関係はこれまでも示唆されていましたが、地獄と自由に行き来できるのでしょうか。
以前言っていた「奥の手」や、アスの爆撃から逃れられたのもこの力によるもの?

シフトでも死亡扱いだったことから、この三年間は表立った活動はしていなかったようです。
本人も言っていた通り、ヘッドや東郷から狙われるようになり煩わしくなってきたからと思われます。

彼の目的はおそらくこれまでと変わらず、自分を超える息子を創ることでしょう。
大欧州でのヒュラスとの交戦後、サタナキアからの情報に従い、生物兵器を倒すため鮒界市へやって来るようです。
ルーサーと翔を助けに来るんだとしたらちょっと意外でした。息子に関しては死んだらそれまでと割り切ると思っていたので。

嫁や娘たちとの関係も改めて描かれ、単に暴力や性欲による支配だけでなく、ある種の信仰を得ていることもわかりました。
特にサーシャからは、悪魔に支配された世界から脱するための希望を見出されているようです。
エリザベスについては、一方的に金づるにされているだけでなく、自分の大事な会社のために父を利用する業や葛藤があったりと、興味深いキャラになってきました。

ピュアから(間接的に)傍流穴掘り野郎の烙印を押され、ルーサーの涙でもって役割を終えた感もあったレックスですが、やっぱり出てくるとワクワクします。
今後の活躍が楽しみです。

2.2 悪魔

現時点で登場済みの魔王は全体の半分くらいか

現状トップの勢力を誇る悪魔たち。

組織としての目的は組織の維持拡大。
不安要素である四大魔王の寿命死による連鎖崩壊を止めるために、真の胎界主を見つけ出しその力を利用しようとしている。はずですが、あまり本気で取り組んでいるようには見えません。ピュアの言っていた通り目を背けているのでしょうか。

外部では、骸者が壊滅しことで管理者との間で生成世界間戦争が起こるかも、なんて言われています。
また内部では、三名の大主による派閥間抗争に加え、第三部では派閥内で大公同士の軍閥抗争が行われていることも明らかになりました。
六王や君主に対する貴族魔王の不満も高まっており、王族廃止論も噴出するなど、内輪もめの火種が増えています。
帝王不在の今、魔界の代表を努める副王ルキフグは慎重派で保守主義と言われており、内外での大きな争いは起きないようにしているようです。
しかし作者によれば第三部では「悪魔大戦争」が予定されているそうで*1、一体どこから火がつくのでしょうか。

2.2.1 帝王派

帝王

いろんな勢力に満遍なく粉かけてますね

存在級位の上昇により原典に堕ちかけたため、人間並みの存在まで存在級位を下落させた帝王。
その後護衛をしていたマルコキアスの分躰が見失ったため行方不明になったと言われていましたが真相は不明。

ゼブブからは「責務を果たさぬ者」といわれたり、メフィストからは「お頭がユニーク」と揶揄されたりと、六王以外の魔王からの信頼はないようです。

いちご農園で物乞いしている時はわりと元気そうでしたが、「選択」を迫られた際にはは震えているようでした。
その後ロシアに渡ったことが分かり、マルコキアス達が捜索中。
アスタロトや純子の予想では、帝王自身が望むまでは見つからないとのことですが、帝王は一体何を望んでいるのか。

全てを極めた先に行き止まりとなったのはソロモンと同じですが、凡夫に戻ることができずに世界から放り出されたソロモンと比べ、全てを捨てて世界に留まったのが対象的です。
本編での活躍はまだ先になりそうですが、帝王の存在が「テトリスの棒」になってくるのではないかと思っています。

このへんの元助役や海崎の台詞も帝王の物語に関わってきそう

胎界主 第三部 東郷強制労働農園の夜明け http://www.taikaisyu.com/0%20honyaku/004-01/05.html

 

サタナキア
帝王を助けるため古代から暗躍するサタナキア。
「認識ロック」+「夢を通じた無意識下への刷り込み」+「夢の中なら無敵」という反則コンボを駆使しあらゆる場所に布石や伏線を仕込んでいます。
今のところの目的と働きは以下のような感じ。

目的① 帝王の安全を確保する

  • マルコキアスやメフィストフェレスに帝王を探させる
  • ソロモンによる報復を阻止する
    →タロットアス死亡による生成世界崩壊を防ぐ
     →ソロモンをアスの中に戻す
    →ソロモンとアスを塔に籠もらせない
     →ソロモンとアスをロックヘイムへ追いやる

目的② ソロモンを利用して帝王を助ける。

  • ソロモンに極限存在級位を授ける
  • ソロモンを<神>と逢わせる?
  • ソロモンを原典から帰還させる?

目的不明

  • 虹増一郎との協力
    →見返りとして喜連らの抹殺、東郷の亜洲派兵などを実施
  • レックスへの干渉
  • フランツ・ピッピへの干渉(ピュア対策?)

一体どこまで彼の計略が及んでいるのか。

とはいえメフィストフェレスに指摘された通り、帝王を確保した後の戦略は帝王任せのようで、彼の物語の成否はあくまで帝王に委ねられているのでしょう。

六王
サタナキア以外の六王達も帝王から賜った翻訳儀典に従って、各々で行動しているようです。
マルコキアスとフルーレティのバトルマニアも、帝王の遠大な計画の一部なのでしょうか。
好き勝手やっているせいで他の魔王達から反感を買い、王族廃止論の原因となっているようです。

2.2.2 ルキフグ派

モロクを除く四名の大公軍が軍閥抗争しているルキフグ派。
魔界の均衡を望むルキフグは内部抗争についてはどう思っているんでしょう。

アスタロト
ソロモンの協力者アスタロト

父ルキフグから自由になれたのはてっきりソロモンが解き放ったのだと思っていましたが、ソロモンに会う以前から自由だったっぽい?
悪魔の中でも異端の存在でベールフェゴールなどからは嫌われていましたが、ヴァラクからは慕われていたりと孤立しているわけではないようです。

古代王国時代からまがい物世界の出口を求め、ソロモンに協力しています。
ただ彼のソロモンに望んでいるのは、単なる手段以上のものを感じます。
ソロモンは「ピュアが悪魔についたらアスタロトはピュアに寝返る」と予想していましたが、そんなことはないんじゃないでしょうか。

ロシアホテルでは助けた少女にアスを重ねていました。
アスの直属誓約は「ハッグを打ち倒しバンシー達を開放するまで」だったので、もう解消されてる?
「とても遠くへ離れ去ってしまった」アスとの関係は取り戻されるのか。

ソロモンの創り出すものはアスタロトの出口となるのか、それともサタナキアの言う通り、己の身を賭けて自分自身で創り出さなければならないのでしょうか。

ルーサーとクリムはそこそこ上手くいっちゃってますが

胎界主 第一部 生成世界の奇跡 http://www.taikaisyu.com/25-05/06.html

2.2.3 ベリアル派

アモンとパイモン軍閥抗争しているベリアル派。

ベリアルは現状維持しか頭にないベール・ルキフグとは違う、とメフィストフェレスは言っていたそうですが、具体的にはどんな思想なんだろう。
管理者との戦争を望んでたりするのでしょうか。

メフィストフェレス
ソロモンをどうにかするため孤軍奮闘するメフィストフェレス

ソロモンからのパワハラにより協力を強いられ、怒らせまいとリースや純子に気を使う日々。
ソロモンのことを誰にも話せず周囲からはキグル扱い。
派閥内ではベリアルやクリムから心配され、パイモンからは嫌味を言われています。
派閥外では協力していたゼブブが崩壊、アスタロトはソロモン側、サタナキアからは認識ロックで操られ、管理者からは絶縁。
八方塞がりの状況ですが、アスタロトと違い主ベリアルのためという明確な目的があるので退廃に飲まれることはなさそう。

現在はサタナキアに植え付けられた翻訳儀典により、帝王に打倒ソロモンの希望を見出してしまっています。

ゼブブの苦労を偲んだり、アスの鏡を褒めたり、鮒界市の子どもたちからの親しまれたりと、立場の違いを超えた繋がり度々見せるメフィストフェレス
ソロモンと再び「会話」できる日は来るのか。

2.2.4 ベール派

魔王が減ったせいで派閥内の抗争もなくなり、のんびり路線のベール派。

ゼブブがソロモンに敗れたことで魔王が使い潰されることはなくなったので、しばらくは安定してそうですが、果たしてこの弱小体制で動乱期を乗り切ることができるのか。
ルキフグ派の傘下になってしまったので、何かあったら真っ先に使い捨てられそう。
トップのベールがソロモンの手に堕ちているのも危なそうです。

ベリト
そんな中、万年最下位から脱したベリトは意気揚々としています。
世界を変えずとも自分を高めれば望みは叶う、と豪語していますが、更なる昇進を望んでいるのでしょうか。
息子(ということになった)の田豚は勇、実、稀男への復讐を企んでいるようです。
無能と謗られてきた魔王の逆襲がここから始まる?

2.3 シフト

総統達はハウスマンやドロクロドと知り合いだったりするのかな

ヘッドが再編されてできた悪魔の代行組織シフト。

潰れかかったベール派ヘッドがルキフグ派に吸収され、余剰人員を召集島で処理しその代わりに東郷を据えたのが第一部。
現在はシフト-L(ルキフグ派+ベール派)とシフト-B(ベリアル派)の二派体制になりましたが、やってることはヘッド時代とあまり変わらなそうです。

2.3.1 総統

第一部ではヘッド上層部の力関係はあまり描かれませんでしたが、総統は一般使い魔の中ではトップだけど魔王直属使い魔ではないようです。

代行組織は悪魔の手足であり、組織としての主体性はない印象でしたが、やはり総統達は皆行き詰まりを感じているようです。
とはいえ悪魔に打ち勝ったとしても、その先に待っているのははソロモンコースですが。
ブコウスキー兄弟やハウスマンが辿った末路とは違った結末を、彼等は見つけることはできるのでしょうか。

アレクサンドル
前任の双子の兄たちの後釜になったアレクサンドル。
レックスとサーシャの繋がりを掴んでいたりとヤリ手っぽくはありますが、名だけで実績はないとの自己評価なので、兄たちと違って胎界主ではないのかも。
目標は現状維持と小規模ですが、動乱期に向けて色々対策は打ってそうです。

クール
ブラック役職を押し付けられてしまった新人総統クール。
念願の不老躰化の約束を取り付けた代わりにアガレスからのパワハラが心配されたり、マネージャーのスミスがレックスの手に落ちたりと前途多難です。
他の総統達から心配されている軽率さは、ある意味純真とも言えます。
地獄の扉を開いていない若い彼が、シフトの新しい未来を創っていくのでしょうか。

2.3.2 不老不死者

アドニスと同格(自称)の、肉体胎界化級の不老不死者達。
特定の魔王や派閥に属さないフリーの立場は、実力と実績から許されているようです。

動乱期を見据え、実績を積んで地位を得ようとしたヒュラスはレックスに敗れ、地獄に閉じ込めれられてしまいました。まだ生きてるのかな。
アドニスは動乱期だけでなくその先の、寿命による連鎖崩壊を前にした悪魔の暴走も危惧していました。
長命な彼等の戦略は必然的に長期的ですが、その分眼の前の事象に本気になりきれない印象があります。
他の四名はこの先どう乗り切るつもりなのか。

2.4 ロックヘイム

死んだキャラ除いたらヘヴ人がいなくなっちゃった

第二部では生体金庫の開放、骸者の殲滅、司神の降臨という巨大な事象節に見舞われたロックヘイム。

悪魔との生成世界間戦争も危惧されましたが、鎖界によって小康状態を保っているようです。状態復元期に鎖界が解かれたらどうなるか。
悪魔対策として、胎界率の上昇、ホムンクル・スゴーレムの開放で臨戦態勢をとっているそうで、一般人の生活にも影響が出ているかも。

2.4.1 管理者

レイミアとの戦いでヨ、オ、リが発狂し、一番下のスだけとなった管理者リョース。
そこに付け込んだ主水に篭絡され、食欲と排泄欲に堕落してしまいました。
状態復元期までは復活しないようですが、スのケツをなめたホムンクルスがモサモサしてたのは何かありそう。

積極的に勢力を広めようとする悪魔や骸者と比べ、管理者の目的はとにかく現状維持でした。
外交に関して、鎖界と武装で悪魔との関係を絶つやり方は基本的には以前と同じ方針だと思います。
一方で内政に関しては、主水によってソロモンヘイムの文化や技術が導入され、リが嫌っていた文化汚染が進行しているようです。
発展を望む人間とどう付き合っていくのか、状態復元期に三名が復活したら改めて問題になってきそう。

懸念点の寿命問題については、ソロモンの指輪(存在しないらしいけど)で司神を操ることで解決しようとしていました。
しかし現在神獣石が剥き出しで、司神降臨方法を知るアスもいるので、やろうと思えばリョースにも司神降臨ができると思います。
神獣石が管理者の手にある以上、悪魔との衝突は避けられなさそうです。

人格排泄か?

胎界主 第三部 副王謁見 http://www.taikaisyu.com/0%20honyaku/002-03/03.html

2.4.2 信託師匠国

管理者の支配下の6つの国々。
第二部ではほとんどモンドしか描かれませんでしたが、第三部の師匠国篇では他の国も関わってくるのでしょうか。

  • 魔法則師匠国アルティリス
    賢者アールヴとホムンクルスしかいないのであまり変わりはなさそう。
  • 鋳造師匠国ミスティリカ
    銀行騒動を起こした師匠サルムは曲者っぽいので活躍に期待。
    ドウェルグ帝国復権のため悪魔と通じているそうですが、鎖界後はどうしているのか。
    骸者殲滅で活躍したモーグとバーグは出世してるかな。
  • 酒造師匠国ヘヴ
    第二部に出てきたヘヴ人は微妙なのが多かったので未登場の師匠らに期待。
    沖合にある生体金庫の死骸はどうなったでしょう。
  • 牧畜師匠国モンド
    師匠の主水が管理者に取り入ったことで発展してそう。
    稀男たちが出会った人々も無事だといいですね。
  • 汎用労働国テオブロマ
    師匠国じゃないけど師匠にあたる国のトップはいるのか?
  • アトン教国キナモムム
    アトン教団トップの師教がブーデに代わり、ボリック家による独裁体制は弱まったはず。ハッグ亡き後のバンシー牧場は、ピュアの推薦通り精神施療院の院長が運営をしているんでしょうか。アスやハインツの悲願だった、治療師とバンシーの待遇改善が進んでいるとイイですね。
    ハッグ打倒を成したアスは牧頭に戻ったのか、魔法則先生になったのか。(司神の名にロックが掛かってるので魔法則は使えないか?)「生成世界破壊爆弾」であることも明らかになったり、まだまだ平穏な日々は訪れなさそうです。

2.5 骸者

分かりにくいけどデュラデカも白黒です

生体金庫戦とピュアの根城での戦いで壊滅状態になった骸者。
スによればロックヘイムの骸者は98%以上の殲滅され、また悪魔に収監されていた死の神獣達も次々処理されました。

感染躰化で短期間に勢力を拡大しうる、他勢力にとってはいまだに厄介な存在ではありますが、流石にここから三大勢力に返り咲くのは厳しそう。
ここからどんな活躍を見せてくれるのでしょうか。

2.5.1. カポック残党

ロックヘイムの骸者軍で第二部終了時点で残っていたのは、ファントム・ドローネとその配下、半命のレイミアと、ミャクハク・エイオータ他ヴァンパイア数名。多分この辺の名有りキャラは残っているでしょう。
エイオータは大惨事時代にベリアルとの因縁(ってほどのものでもないけど)が描かれたりと、何かしら絡んでくるかもしれませんね。

ファントム・ドローネは次の状態復元期あたりに復活するはずなので、動き出すとしたらそこからでしょうか。
なんすばしたレイミアや、サタナキア防壁攻略という独自戦略を敷いていたファントム達はどんな考えで動いていくのか。

行間死してたらちょっと面白いけど

胎界主 第三部 ロシア国立感染症研究所 http://www.taikaisyu.com/0%20honyaku/002-05/20.html

2.5.2 ソロモンヘイム収監組

魔王によって捕らえられていた死の四大神獣たち、フェンリル、ハティ、スコル、エムプサ、モルモの五名。
ロックヘイムの骸者殲滅の報告を受け、シフト所属の骸者と合わせて処理されてしまいました。人質としての価値がなくなったということでしょうか?

唯一顛末の語られていないフェンリルの状況は少し気になるところ。もし生きてたら相手をしていた真躰マルコキアスのメンツが丸つぶれですが。

2.5.3 阿州

大惨事時代にドロクロドの裏切りにより阿州で大量発生した骸者たち。
250年近く経過した現在もアフリカ大陸は暗黒大陸になっているそうです。

ベリアルが焼け野原にしたユーラシア大陸の復興が100年そこらでできたことを考えると、時間がかかりすぎな気もします。
ヒュプノスの四大神獣がいるとかでなければ、残っているのは躰化者や傀獣くらいのはずで、魔王の敵とは思えません。ゾウやライオンでも躰化してるんでしょうか。
それとも単に復興する旨味がないから放置されているのか。
悪魔にとって脅威となる何かがあるのなら、カポック残党の戦力になるかもしれませんね。

2.6 東郷

下士は策謀家集団かと思ってましたが多摩さんみたいな人もいるんですね

悪魔と和睦し、大亜州の覇権を手に入れた…と思いきや下請け扱いの東郷。
「大亜洲でヘッドの代わりをさせるつもり」という団九郎の予想通りではありますが、思ってたより酷い待遇でした。
九郎は「時期が来るまでは適当に傀儡を演じておく」と言っていました。二郎の見立て通り、武力抗争では勝ち目がないと思いますが巻き返しを図れるのか。

東郷内部では、悪魔への服従派と造反派に別れて対立しています。
ここに来てシフトから阿州の骸者討伐を命ぜられたことでいよいよ決断を迫られているようです。

2.6.1 暫定当主

第一部で代理当主に就任してから初めて描かれた聖子。元気そうですが警部補時代のノリではなさそうです。
大零は「今の東郷は緩みすぎ」と評していましたが、聖子の当主としての運営手腕はどんなもんなんでしょう。

父への復讐を果たしてしまった彼女の今のモチベーションは、勇(と鮒界市?)を守ることのようですが、次期当主が決まった後はやりたい事はあるんでしょうか。

2.6.2 次期当主候補

第一部から行われていた次期当主選抜レースはまだ続いています。

選抜は城下士が取り仕切っているようですが、城下士の団、多摩、雁はそれぞれ別の思惑で動いていたりと一枚岩ではなく、当主選抜も出来レースという訳ではなさそうです。

次期当主になるには麓郷士であることに加え、父と子がセットである必要のようです。
情や主水、一郎は子供は居るんでしょうか?
九郎が勇を当主にさせようとしていることが示唆されていましたが、ルール的にどうなのか。

現在の有力候補は鷹八、越参、染伍、大零の上位四家。
正直四家ともパッとしない印象、特に私腹を肥やしているらしき染伍。
仁や正義のように真面目過ぎて潰れてしまうよりはいいのかもしれませんが。
人格的には大零が優れてそう。終始無言の越参息子には何かあるのかないのか。

どの候補も、なぜ当主になりたいか、当主になって何を成したいかについてはまだわかりません。
正義は(非現実的ではあったものの)人類を悪魔の支配から開放することを標榜していました。
次期当主には東郷の胎界に収まらず、世界を変えるくらいの気概を見せてほしいですね。

2.6.3 東郷主水

ロックヘイムのモンド国で師匠を務める主水。
東郷の隠密部隊として善より密命を受け活動しているそうですが、主水と雁以外にもメンバーはいるのでしょうか。

この三年弱で、管理者スを篭絡して情報を引き出したり悪魔との外交に口出ししたりと、勢力を増しているようです。
それも管理者が「あの御方」とやらの力を必要しているおかげのようですが、主水自身は「あの御方」には微妙な感情がある様子。
ロックヘイムにおける東郷家の勢力拡大という以外にもなにか目的がありそうです。

あの御方…一体何郷善なんだ…?

胎界主 第三部 副王謁見 http://www.taikaisyu.com/0%20honyaku/002-03/12.html

2.6.4 虹増一郎

独自の思惑でサタナキアと組んでなにやら企んでいる一郎。

東郷の阿州派兵命令や、服従派をモルモ討伐に向かわせたのは、サタナキアを通じた彼の思惑のようです。一郎自身は造反派なので、素直にとるなら東郷と悪魔を決別させるためだとは思いますが。
サタナキアと契機を合わせて何を「決行」するつもりなのか。

「創る力」の胎界主だそうですが、どんな力を振るうのかも気になります。
対応するタロット:魔術師の暗示や、「結果は重要ではない」のセリフと合わせて考えるに、流れの起点を創り出す力(その後どう運ぶか分からない)とか?

幼い頃は善を信奉していましたが、善に似た匂いを感じる勇を始末しようとしたりと、目的や行動原理はまだわかりません。

2.7 鮒界市

Dランクキャラクターの風呂敷から畳み始めやがった!

懐かしの面々が再登場した鮒界市。

第一部では東郷と悪魔(久松組と連合)の抗争に巻き込まれ酷い治安でしたが、両者の和睦もありこの三年間は平和だったようです。
正義の事件の補償で皆生活も豊かになり、スマホが一般普及するまで技術が発展しました。子どもたちは東郷の学校で教育を受け、進路も保証されているとのこと。

2.7.1 子供たち

戸的実ら小学生組は中学二年生、たまきら高校生組は21歳くらいになりました。

  • 実  :同人作家になりたい。そこまで本気じゃなさそうだけど。
  • 美穂 :現在大学生。東郷のコネ就職には微妙な心境。足は治ったものの仁の一件はまだ心に残っているようです。まさかのピュア狙い?
  • タツ:実と一緒に同人作家になるとか。
  • 世和至:SFオタクだった彼は超能力教師に…なれたと思っていたけど、本気じゃないことを指摘されて落ち込み中。
  • 理子 :勇との仲はあまり進展してなさそうでしたが、徳の計らいで勇の付き人になり西海道へ?あまりうまくいく気はしません。
  • たまき:狼女になってしまい人前にも出れず、元の躰に戻るためピュアに会いたい。通訳の夢はそのままでしょうか。メフィー狙いで玉の輿?
  • 勇  :東郷や悪魔から目をつけられ政治闘争に巻き込まれそう。春から西海道へ行くようです。本人は胎界主として何を望んでいるのか。
  • 翔  :父にあてられ、何者かになりたいと望んでる様子。扉絵の翼を背負った姿は何を暗示するのか。
  • 伊之児:父の教え通り凡人として慎ましい生活を送りたい。東郷の使用人になった?父はどうなるのか。
  • 明菜 :復学できてよかった。球体技術はクラスで突出するものの、勇をはじめ上には上がいることを知り、身の程を知った様子。
  • 猿山 :特になし。
  • 日奈子:仕事にやりがいを感じつつも過去の傷が残っているようで。やっぱ復讐がたましいを癒やすなんてタワゴトですよね。
  • 二三夫:久松組の構成員は兵児組に統合されたようです。組の行ってきたことに罪悪感があるようで、その償いをしたいのでしょうか。
  • 笑作 :久さん一筋。小さい世界にこだわるヤカラムーブは相変わらずですが、今なお東郷に唾を吐けるのはイイですね。
  • 佐出斗:こいつは何なんだろう。

現況不明のキャラは日光夫妻、影男、福田あたり。
影男は東郷からヘッドに返還されて以降消息不明ですが、無事に鮒界市に帰れたのでしょうか。

大人になるにつれ、己と己を取り巻く世界の大きさが見えてきます。
内に留まるか外に出るかという決断は、世界の命運なんて掛かった場面でなくても、当人にとっては大きな問題です。
そんな彼等の悩みも、生物兵器によって葬られてしまうのでしょうか。

2.7.2 公園墓地

特権階級を得て悠々と暮らす主人公達。

純子
「凡蔵純子はリースと共に生きていく」と言っていましたが、案の定うまくいかず落ち込み中の純子。
好きな人に振り向いてもらえず思い悩むのは、ある意味真っ当な人間になれたことでもあり。今後破局したとしても、無我のように地震にはならないんじゃないかと思います。

リース第一でそれ以外はどうでもいいようで、原理的に人を傷つけることを避けるとはなんだったのか。
リースからソロモンを追い出すためソロモンに協力しているようですが、どこまでその思惑に同調しているのか。

リース
純子≠稀男に最近ようやく気付き、怒り中のリース。
流石に気付かな過ぎなのでソロモンが何かしてたのかな?
もはや稀男より純子と過ごした時間の方が長いですが、まだ心は稀男にあります。

この三年で鮒界市にもすっかり馴染んだみたいですが、月曜に純子とともに故郷に帰る予定。

ルーサー
魔王にはなれなかったものの君主直属使い魔となり、クリムとの同棲にも成功し幸せそうなルーサー。
父の恐怖からも開放されすっかりリタイア気分ですが、残念ながら長くは続かなそうです。

3. 終わりに

書き出していったらどんどん長くなってしまいましたが、自分の中で視点が整理できて良かったです。
これだけのキャラクターを描き切るつもりなら、改めてとてつもない作品です。

ピュアという巨大な物語にオチがついてしまった第二部の後の世界で、ここからどんな物語が描かれるのか(あるいは描かれないのか)。
今後もますます胎界主から目が離せませんね。